CROSS†CHANNEL -FINAL COMPLETE- 感想

エロゲ初心者のころ、家族計画はメンツが揃ったあたり、最果てのイマは各キャラ一巡して放り投げた人間ですが、このたび名作と名高いCROSS†CHANNELにチャレンジ。

結果は…
天下のロミオが私には合わないことを認めるしかない。わりとショックです…

総評

評価:★★★★★★☆☆☆☆

まったく面白くないわけではないのだが、主人公が合わず、ギャグも合わず、ヒロインたちもそれほど好きになれず、琴線に触れるものがなく、笑うことも泣くこともなく終わってしまった。

テキスト

開始してすぐ、ファンが多そうな文章だなあ、と思いました。
誤字誤用はちらほら。
頻出する「ほつれる」の独特な使い方が気になる。
最初は「冷静でなくなる、取り乱す」という意味合いかと思ったけど、叩きつけた拳もほつれるから「自分を見失う」的な意味…かなあ?
凝った言い回しが多いので、二行三行でぶつぎり表示されると少し読みにくい。

グラフィック

立ち絵は、夏日の日差しの下にいるような雰囲気があって好きです。
背景が夜だとちょっと光源が不自然だけど…
追加要素なのか、時々画風がまったく違う絵が出てきて違和感すごい。
あと、何枚かすごく顔の崩れたスチルがあるな。

キャラクター

主人公のどぎついセクハラにはドン引き。
それを受け入れるヒロインたちも気持ち悪い。
特に引いたのは、彼女でもない後輩の胸を揉みながら「何で泣いてる?理解できない…」と思う場面と、美希が「処女です~」といかにもオタクが考えた女みたいな返しをよくするあたり。

狂気だとか異常心理だとかのテーマは好きなんだけど。
だから心の闇や破壊衝動や各人の群青に忌避感はなくて、ただセクハラ関連だけが無理でした。
主人公は、相手を宥めすかしてフェ…させる時「一発にこのひと手間」と思ったり、霧を言いなりにさせたり、なんかメンタルが凌辱系主人公のそれに近い気がする…
まあ、奇行の理由は後々説明されるし、みんな世間から弾かれた異常者という設定もあって、気持ち悪いと感じるのはライターの意図どおりなのかもしれない。 だからと言ってマイナスの印象が反転することはないんですが…

桜庭はちょっと好きです。
無軌道ながらいろいろ察したり考えたりしているところと、帰った時の「そうかぁ」の台詞がよかった。

シナリオ

序盤、明らかに何か隠されている・伏せられている状態で、長々と読み進めさせられるのがややストレス。
繰り返される同じ場面をスキップできないのもストレス。
ギャグや日常会話が合わず、まったく笑えないのが辛かった。
家族計画とイマでは笑えた記憶があるのだけれど…

CROSS POINTまで来ると、全容が見えてきて、ようやくお話をすんなり楽しめるようになってくる。
主人公のギャグとセクハラに辟易しながら…

美希の事情が明かされるあたりのシナリオは面白かったです。
送還編では、胸糞悪かった前半の仕切り直し。
前回の経験を活かしつつ同じ出来事を違う展開に持っていくのは、ループものの醍醐味ですね。
主人公がコミュニケーションツールとしていたセクハラと悪ふざけを我慢したら、展開ががらりと変わり、相手の信頼を得て穏やかな関係を築けるようになる。
このへんで、やはりライターは前半の主人公をあえて露悪的に描いていたのかなあ、と感じました。
つまりは主人公の成長物語なんですね。
ただ、ここまで来るともう好感も共感も何もないので、そんなキャラクターたちが何をしたところで…
感動っぽい場面も独りよがりの自己陶酔だなあと感じて、カタルシスがなくただ読み進めるだけ、最後までそのままで終わってしまった。
私は家族関係を持ち出されると涙脆くなるタチなのですが、七香のシーンでほろりとも来なかったのが我ながら衝撃的でした。

考察ゲーらしいけど、考察するような部分ってあるかな?
何をしても、「適応係数が高いので」「異常者なので」で終わってしまいそう。…単に私が彼らに興味がないってだけかも。