シンソウノイズ〜受信探偵の事件簿〜 感想

「月影のシミュラクル」は読みやすい言葉選びで読みにくい文章だったけれど、こちらは読みにくい言葉選びで読みやすい文章という感じ。
あと、主人公の不快さ加減が段違いでした。悪い方に…
そこに目をつむれば面白かったです。
おまけのキャストコメントで声優さんがチクリと言ってくれるのはだいぶスカッとした。処女膜破りシチュエーションクズ男w

総評

評価:★★★★★★★☆☆☆

シナリオはもう1個★をつけてもいいくらい面白かった。
でも主人公が不快すぎてマイナスしました。
ミステリとしてはいまいち。だいたい察しがつくのに遠回りさせられてイライラしてしまう。最後の謎は難しかったけど…
途中から超能力メインになるので、その方向転換についていければ楽しめると思います。

テキスト

読みやすいけど、たまに一般的ではない単語が出てくる。
詩的かつ装飾過多でエロシーンでは浮く。女性のアレを肉のフリルて… とか、砲身 逸物 剛直 自分のアレを自分でこう言うか?とか…
女の子たちはストレートに淫語を口にするので気になってしまった。

キャラクター
主人公

・冴えない設定なのにイラストが美少年
・一般人設定なのに女を食いまくり、社会の倫理観を踏み外していることを気にせず誠実or一途ムーブする
という私の主人公二大地雷の両方を踏まれました。

やたらネタにされる噛み癖は、ライターがネガティブ美少年たちばにゃきゅんに萌え萌えしているのかな…と邪推するレベルでしつこい。
てか実際に噛み噛みの人って「に」→「にゃ」・「さ」→「しゃ」とかではなくない?

主人公がヒロインたちの処女をひととおり食い散らかした後は不快な行動は減るのだけれど、ガチクズ犯罪者がいるのに女の子が単独行動するのを止めなかったりむしろ進んで置き去りにしたり、性被害にあった女の子と軽率に二人きりになったり、ちょいちょい嫌なことする。


「主人公を支えたい」と言う風間とモモ、風間はフッてしまったが、モモには寄りかかってしまう主人公

裏表なく俺のことを、ひたすら心配してくれる、この心が、
こうして俺に、心の底からの安らぎにも似たものを、与えてくれているのかもしれない。

風間だって心配する気持ちには裏表はなかったじゃろがい!!


主人公を百合子の元へ送り出すモモに対して

モモって確か俺のこと、好きだよな?
それなのに、好きな男と別の女……、それも規格外の美人のケアをさせようって、どういう神経なんだ?

純粋に友人を心配する気持ちじゃろがい!!

不可抗力とはいえ自分が襲った女の子に対して思うことがクソすぎる。この時点では責任を取る気もないくせに。
お前のそういうところが嫌いなんだよなあ私は…


妬みからレイプ未遂するけど聖母モモに正気を取り戻す主人公

もう、モモを傷つけたいとは思わない。
ただ――今している淫らな悪戯は、このまま続けたい。

単純にクソ。

個別エンド感想
ひかり

重要人物かと思いきや雑魚。
特に感想はない。

夏希

めんどくさかわいい。
最初のツンケンぶりがどうデレるんだろうと楽しみにしていたら、即堕ち2コマどころか一目ぼれだったのは残念。
でも班分けの時は北上のことが好きっぽいそぶりだったよね?

沙彩

けなげかわいい。電波少女と素とのギャップがよかった。
主人公も童顔だし見た目かわいいカップルだろうな。
このへんで、先に進むにはこのかわいいヒロインたちをフッていく必要があるんだなと悟ってげんなりしてきた。

百合子

おしとやかかわいい。
のだが、このあたりで、健気だなあと思っていた夏希や沙彩の「一真くん素敵!抱いて!私、何をされてもいいわ!大好きだからどんな奉仕もする!」という姿勢が、ヒロインたち全員のデフォルトなんだなと気付いて白けてきてしまった。
唯一付き合った後の班員たちの反応があったのはよかった。

家のことに巻き込みたくないから本当は好きなのに突き放す演技をするという展開のベタさはともかく、この期に及んで百合子がちょっと冷たくしただけであっさり騙されかける主人公…おまえ本当に成長しとるんか???
百合子の事情が一切解決していないことにも物申したいが、主人公の身勝手な願望(さくら殺しの犯人としてまだ百合子を疑っているから心を読んで真実を知りたくない)で能力が減衰しているのに、百合子のためにも能力が長続きしますように…お願い神様…って何だよ。
能力減衰が止まらなかったらそれはもう百合子を愛していないってことじゃないの。

萌花

純粋無垢でおバカに見えて記憶力と洞察力があり、誰よりも鋭く本質を突く…というところはよかった。 恋愛の辛さや人間の汚さを学んで成長していくのかと思いきや、ふわふわきらきらのままだった。主人公全肯定お人形さんを脱却できなかったな、という印象。
あと、主人公が過去に性被害を受けたこともある萌花の気持ちを考えず労わらずに挿入に及ぼうとするシーンがあって、もちろん全肯定お人形の萌花はそんな主人公も許し受け入れるのだが、こいつのクソさは両想いになっても変わんねえなあーと思いました。

さくら

余韻たっぷりの美しいエンディングだった。
これがTRUEでいいです…

TRUE

これまで書いたように萌花が好きじゃないので…
スチル一枚でサクッと終わってしまうので、後日談くらいつけないと、さくらエンドと比べるとどうしても劣ってしまうような。
黒幕救済は別の方法でやってほしかった。さくらエンドの美しさがぶち壊し。
この救済を入れるくらいなら、さくらエンドはなくてよかった。
付け加えると、もしかして社浦が出てきて足を引っ張るんじゃないかと思ってw 冷や冷やして入り込めなかった。

シナリオ
悪かったところ

▼社浦
モモに下衆な思考を向けていた社浦がついにその魔の手を…!

「俺にやられるより大好きな男に無理矢理されるほうがつらいよね?」

(;^ω^)えっ…?
どう考えてもほぼ初対面の犯罪者のチャラ男にヤられるほうがつらいが…
しかも、最中には席を外してくれている。や、優しい…

まあ、日常に戻った後には二人はギクシャクするだろうし、それを狙ってなのか…?と思いきや殺すつもりでいるという訳のわからなさ。
そして能力者の犯罪は立証できないと無罪放免になるけれど、撲殺未遂は能力を使ってないのに、金と権力による圧力かな?と思ったら、監禁でならお縄になるというチグハグさ。
5章6章では、凌辱向きの能力を持った悪人が、主人公や3班では決して手出しも太刀打ちもできない立場にいて好き放題している…というのが、どうにも不快でした。

▼不自然な点がままある
・みんなで七不思議の探索に行って、教師に見つかりそうになり散り散りになり、その後は連絡を取り合っても班員と出くわしても決して合流せず各人単独行動する。みんなで遊びに行ったのに、そんなことある?
・養父が我慢強すぎ問題 。
・一晩の間ものすごい発情する媚薬。
・萌花の記憶力は超能力かもしれないので組織に調べてもらおう!→「やっぱり」違ったので主人公に纏わること含めて洗いざらい記憶を消そう!となる。何で調べたの?
・金髪ドリルが母と顧問の確執を知ったタイミングが割と謎。
・みんな目の前にある明らかな問題をスルーしがち、結果事件が起こったり事態が悪化したりする。
・手つなぎを見せびらかしながら真犯人を糾弾してショックのあまり失踪される。当たり前でしょ…
・半年前の記憶を引っ張り出して、二階にいる人物を離れた位置の下から見上げた時の表情まで言及できるもの?

よかったところ

・メイズのみなさん
沙彩こみで、使い捨てガバガバ組織で終わらせるのはもったいない。
もうちょっと煮詰めてルート作ってくれてもよかった。

・高永と北上
3班の友情には少しウルッときた。二人ともいいキャラでした。
北上はうんこうんこ言ってた印象しかないが…モテキングと言うけど、こういう中身小学生でしかも野球部補欠は正直モテなさそうだな、と…
高永はさりげに有能だし、黒幕が作った世界でもコミュ障の陰キャを気遣ってくれるイイ奴だし、彼女できるといいな!

・ヒロインたち(一部を除く)
男の趣味はクソ悪くチョロイけど、みんな健気でかわいい。
にゃんにゃん中の心の声はかわいさ全開でよかった。

・全体的な面白さ
まあなんだかんだ面白かったです。
↑これだけ不快な点はあってもコンプするくらいには…