ソーサレス*アライヴ!~the World's End Fallen Star~ 感想

上げ忘れその1

総評

評価:★★★★★★★★☆☆

評判どおり前半はしんどいが後半はかなり引き込まれた。

テキスト

そこそこに誤字多め。
声優さんは正しく喋ってくれるので、気にならないと言えば気にならないかな。
主人公の言動、引いては地の文(心の声)が超絶キモく、これがかなりの苦痛。
後半はキモさが減るのが救い。
あとは、野外で致している時にシーツの上にどうのという描写があって「???」となったくらい。

ビジュアル

リリと病弱お嬢様の顔が不細工すぎてやばい。
通常と目を閉じている表情は、顔が凹んでいて見るに堪えない。目にしわを寄せて怒っている顔がオッサンにしか見えない。
バランスの問題なのか、画面に出てくるとやたら目についてしんどかった。スチルはまだマシなのだが…
他の絵師も角度や構図によっては…で、全体的に絵アド低めに感じました。
良いと感じる絵もあったけどね。

シナリオとキャラクター
ソーサレス

想像よりもだいぶ低ランクのなろうだった…

・主人公がキモイ
・ペン回しや皿四枚持ちで「魔法じゃないのにこんなことできるなんてスゴーイ!」
・主人公が現代知識無双するため「アレはあるのにコレはない」といった、ちぐはぐな世界観
・キャンキャンうるさいヒロイン、貴族の矜持がどうのと威張り散らしておきながら実技(貴族としての地位・質)はドベ
ユズリハの勧誘の仕方にドン引き(壁ドン・顎クイ、構い倒した後に引いて「私のこと捨てないで」と泣いて縋りつかせる)
・事態を引っかき回してくる学院長がムカつくが、わからセッはなし…
・主人公がキモイ

上記に目をつぶれば、ライトなスポ根恋愛ものとしてはわりと面白い。
バトル中の声優さんの気合の入った叫びもよかった。
ただしザッパー!ザッパー!は笑ってしまう。波の音かな?

アキナ

共通でイキっているわりにすぐ挫折してヒスるのでアーハイハイって感じ。
ラストのスチルは好き。

ユズリハ

ユズリハが絡むとキモさに拍車がかかる主人公。
>俺のハートにも王手がかかったみたいだ……。
きっっっっっっしょ

主人公がキモイせいかスポ根しないせいかユズリハ自身にもあまり魅力を感じず…
このルートのみどころはアキナとユーミでしょう。
現実の恋愛を目のあたりにしてテンションアゲアゲなアキナはかわいい。
そして日本の話を心から楽しそうに聞き、ユズリハとの逢瀬に手を貸してくれるユーミ…

ユズリハの両親が真に愛し合っていた設定はいらなかった。
おかげで、は?ただの不倫じゃん…となって同情心なぞふっとんだ。
「これが真実の愛だ」と父が使用人に溺れ、その子供が父の愛も家宝も奪っていき、社交界から追放されてそのうち病死させられそうな姉かわいそう。
振り回されるだけ振り回されて結局三人で試合する羽目になった他ヒロインたちもかわいそう。

ミア

短い付き合いの赤の他人を「お兄ちゃん」「お兄様」呼びはけっこう萎えるな~とか、恋愛的に好きな相手から「妹に似ているから特別な存在」と言われて嬉しがるの謎だな~と思っていたけど、改めて振り返ると伏線だったのか?

やきもちを焼くミアはいじらしくてかわいい。
が、他ヒロインたちが自ルートでは主人公を独占したがるくせにミアルートでは共有を迫る嫌な女に成り下がってしまった。
私はすごく嫌気がさしたけど、こんなハーレムでも需要があるのかね…
主人公とエチするとパワーアップするから優勝のためにもみんなでしましょ!て、つまりはドーピングでは???

まったく出番のなかったリリがしゃしゃり出てきてミアと決闘しても何とも思わない。
主人公への想いをぶつけあうレイヴとか言われても、そもそもお前が入り込む隙ねーんだが?としか感じない。

私は相思相愛の男女の間に当て馬が「この勝負で勝った方が恋愛勝者!」と割って入るシチュが嫌いだなと自覚しました。
主人公が全員を好き・誰か一人を選べないゆえのハーレムならわかるけど、ただ一人を選んでいるんだから他はすっこんでろ。
ミアは共通で主人公に惚れていて他ルートで失恋する描写があるから余計にかわいそう。

アズーリ

かわいい。いち押し。顔が好き。
普段は大人っぽいのに時々ちょっと言動が幼くなるところ、おしとやかなのに床上手()なところ、いいですね。
主人公を朝起こしに来た時の「朝日が綺麗だから、あなたと一緒に見られたら素敵だと思った」がドストライク。

ニコとかいう不快な女が出てくるけど、このルートのヒロインたちはリリを含めていいキャラでした。
壁ドンするアキナさんカッコイイ。
ラストもよかったけど、アキナのアイデンティティー(恋愛小説ネタ)を奪っていいのか…

このルートの主人公だけ若干オラオラ系でキモさのベクトルが違う。

アライヴ編:アキナ・アズーリ

なかなか熱くていい話だった。
主人公がみんなに認められる過程も納得がいく。なぜソーサレス編でペン回しをした…
アキナのキャンキャンうるさい声もだんだん癖になってきた。
リリの「うん」がかわいい。

アライヴ編:ミア・ユズリハ

みんなが頑張って命がけで籠城している間、ミアとイチャイチャしのんびり畑仕事と子守に精を出す主人公は端的に言ってクソ。
今まで親しかった人たちに刃を向け女王を殺し親を殺し武力で各地を制圧し国をむちゃくちゃにしておいて「誤解なのにどうして話を聞いてくれないの?」とか「被害者面するんだ!」とか言われましても…
ソーサレスユズリハルートのモブたちがユズリハを責め立てていたのは正しい行いだったのだなあ…としか。
村を焼かれて皆殺しもしゃーなし。
最後スカッとしましたね正直。

アライヴ編:本ちゃんルート

2018年の学校生活では、主人公が頑張っていてかなり見直しました。
ただ回想後の主人公がアホすぎてキツイ。
人の話を聞かずに考えなしの失敗を繰り返した後で「何も教えられずに指示だけされても納得できない!」とゴネだした時には思わず失笑。
ただ肝心なところでは頭の良い立ち回りを見せてくれるので、差し引き…若干マイナスくらい。

コウザはわりと許せない言動があったのだけど(アズラと別れたあと新しい妻と即ヤる気まんまん、リンドリアを拒むのはあくまで「俺がその気になれないから」でアズラの安全がどうなるか考えもしない)、のちのち「最低の浮気野郎」的な発言があったのがよかった。
私がクソ野郎と思ったやつが作中でもクソ野郎扱いされるかどうかはとても重要。

ヒロインたちが美由紀のいいところをひとつずつ挙げる場面、2018年の回想でプレイヤーに実際に見せてくれてもよかったな~。
正直ぶつくさ文句を言っていた記憶しかない…
顔を合わすたびにキモオタだ何だの罵倒しておいて「どうして振り向いてくれないの?」って、すげーよお前。
いやユーミ好きだけどね、真相解明あたりや正気に返るあたりの流れもとてもよかったけどね…

円陣のかけ声は、ダサいと思っていたのに最後のは熱かった。
ソーサレス編が茶番で終わらず、ここで活きてきたのにはじんとなりました。

ミアエンドとアズーリアエンドのスチルがお気に入り。
結婚するとダラ奥(?)になるリリも好き。
ED回収でややダレるのがもったいない。

BBQスチルは憎い演出。
もしかしてTRUEで美由紀が加わるかな?と思ったけど…

最後の少女は美由紀ではないと思う。
転生体の姿が似通っているのはマザーストーンの縁に捕われていたせいだったはずなので、解放後はもう転生したら判別不可能なんじゃないかな。
なので美由紀が無事に輪廻に戻れたのか、来世で幸せになれたのかは誰にもわからない。
老いた主人公が次世代への継承に思いを馳せる道すがら、通りすがりの少女にふと見た希望…というややビターなエンドと解釈しました。
渋くて好きですね。

学院長

ソーサレス編では、わからせ早くしてと思っていました。
アライヴ編では、主人公の力になるために性別さえ捻じ曲げて輪廻転生し、最終決戦前には夜遅くまで奔走し、「人生の最後の夜かもしれない」と告白して秒で振られるも引きずらず他ヒロインのもとへ送り出す…
こんな健気なヒロインいる!!?
TSが人を選ぶのは承知の上で、ルート作ってほしかったなあ~。