あけいろ怪奇譚 感想

積みゲー崩しもこれで4作目!
批評空間のコピペ。

総評

評価:★★★★★★★★☆☆

手堅くまとまっている。

テキスト

基本的に読みやすいけど、ちらほら誤字や誤用が目立つ。
キャラの名前は間違えたらイカンでしょ。
るり→るい、美里→美雪など、特に美雪はさあ…
時々ヒロインのものらしき台詞の名前欄が主人公になっているのは笑ったw

俺も「ああ、思ったんだ! 呪いから解放されたぞ!」という気分にはなれなかった。
朱子と先輩が眠りについた、その実感は…もうできた。
けど、思ったという感覚はない。
まだ、これからだ。

ここ何回読み返しても意味が分からない。

演出

タイトル画面いいですね。
心霊系は怖くて非常に◎
ただし2回目以降でもクリックで飛ばせないのはストレス。
あと草刈鎌入手時のクソダサフォントはどうにかならんのか…

BGM

なかなか。
メインテーマ好きです。

ビジュアル

垂れ目や巨乳を過剰に強調するデザインは苦手だけど全体的に美麗。
それだけに一部のスチルが崩れているのが残念でならない。
絵師の方は乙女ゲームのキャラデザもされているんですね。ちょっと興味が出た。

ミステリ

朱子の遺書を見た時点で真相を察せる。
しかしキャラクターたちは見当違いの推察や遠回りが多くて微妙な気持ちに…
フィクションではよくある話ゆえにフィクションの人物には察せないということか。

ホラー

そんなに怖くない。でも雰囲気は十分。
学怖的なホラーを期待していたのだけど、外部の人たちがたくさん出るし味方が強いしで「学校の怪談」ではなかったな。

キャラクター

佳奈→るりるか→美里→葉子→ベルの順でクリアしました。
佳奈・るりるかルートが非常にイラついたので放り投げたいと思ったことも何度か。
他3名のルートは相対的によかったです。

主人公

それなりに平凡、善良、お調子者でスケベな面もあるエロゲの平均的主人公…
と思いきや、鼻につく言動も多い。
特にお調子者の部分と童貞ネタがいまいち…
また、周囲が言うほど優しくお人好しには見えなかった。すぐにカッとなる直情型。
佳奈や美里にかわいい~って言わせるためか若干かわいこぶった感じもする。
食事の時にもぐもぐとか…ふぅふぅとか…

人間相手のエロだと、すーぐ生中生中言い出すのが最低。
結婚しよう(キリッとか言うけど、実際に妊娠した時に金を出して尻拭いするのはお前ではなく美里か両親だし佳奈の将来の選択肢も狭まるんだが??
エロゲーはファンタジーだからそういう価値観が消え去るのはわかるけど、高校生の主人公が避妊や責任などという現実的な言葉を持ち出したうえで生でやりたい!中田氏させて!結婚するから!と盛ると、お前はただの無責任猿やろがい(`皿´)オオン?となる。

佳奈

霊能探偵ごっこ遊びルート。
葉子とるりるかとベルベットとマダムの手厚い保護により、安心安全の校内七不思議探索ツアーをお楽しみいただけます。って感じ。
それだと話が動かないから、ちょくちょく迂闊な行動を取る(別行動のベルベットにるりるかをつけたり花子さんをよそへやったりと自ら無防備になる、明らかに危険区域である屋上に平気で行く、日が落ちても下校時間ではないからと留まる、図書室が無人になっても帰らない)ため、見ているこちらはイライラ。
俺は油断していた…俺は甘く見ていた…思ってみなかった…考えていなかった…って何回後悔するんだよ。マジで。
佳奈も佳奈で「私…そこまで考えてなかった…」といつも反省する(でも改めない)からお似合いカップルではある。
所長とベルベットは力がありながら主人公と佳奈の甘っちょろい価値観を尊重してくれて優しい。と、この二人の方をどんどん好きになっていきます。

望先輩と揉めるのは、まあそうなるよ。
佳奈が独善的で傲慢すぎる。
だから先輩に啖呵を切る時に、「自己満足です!」と開き直ったのはよかった。
霊視のせいで苦労してきたことを「私も幸せばかりじゃなかった!」ではなく「場数踏んでますから!」と言ったのも好印象。

私は先輩と仲直りしたいんです!
先輩に笑顔で成仏してほしいんです!
ちなみに最強の人外たちが先輩を排除する準備万端ですぐそこに待機しており説得に失敗したらすぐさま先輩を消滅させる手筈です!

しかしこれはひどい

先輩の呪いに対する佳奈のお花畑な解釈もなあー。
直前にプレイしたG線上の魔王の花音母を彷彿とさせられました。
そんな捻じ曲げないで、先輩の想いをそのまま受け止めてあげなよ。どんな悪意も先輩の気持ちは全部受け止めるって啖呵はなんだったの?
そういうところがウザイんだと思う。
佳奈ではなく主人公がそこに思い当たり、しかし無責任な励ましはやめておこうと胸に秘めておく…程度で済ませておくべきだった。

しかし佳奈は一人の人間として見るとウザイのですが、エロゲーの攻略対象の女の子としてだけ見ると可愛くはあります。
ある出来事の後から、被っていた猫を完全に脱いで素で接するようになり「あ、あそこで恋に落ちたんだな」とわかって微笑ましい。
(ただし他ルートではこの出来事がなくても主人公にデフォ惚れで台無し)

朱子封印後はぐだぐだ…
なげーーーよはよおわれと思った私は佳奈がやっぱり嫌いかもしれない。
でも他ルートでは身の程をわきまえており呪いの件からあっさり手を引くし、みんなでわちゃわちゃする様子は楽しいので、最終的には徐々に好感度は回復していきました。

このルートの見どころは、二時間かけて肩たたき券を手作りする所長(かわいい)と猫の霊を味方につけてあげようとするベルベット(やさしい)です。

エピローグのスチルは、悪堕ちしたヒーローとヒロインのような構図だなと思った。

るりるか

主人公がリタイアする時の所長がなんだかんだ優しくてめちゃくちゃ好き。

るりるかの話をすると、この二人は人間味がないというか(神様だからという話ではなく)、記号的なキャラクターでしかないから特に思うところはないです。

ただ主人公がすごくキモイ。
エロに至るきっかけが命の危機なのはセーフとして、最中と二回目が完全にロリコンでキモかった。
ロリコンきもくないという世界観ならあり。
ロリコンきもいという世界観だけど葛藤や何やらの果てに及ぶエロならあり。
ロリコンきもいという世界観で優しくてお人好しと評価されている主人公が大して躊躇せず平気で喜んでヤるのが無理。

佳奈に「兄妹みたい~」と言われて満更でもないふうの主人公がウザさMAXで、ここでるりるかが肉体関係を持ったと漏らしたら社会的に死ぬよね?死ねと思った。

あと美里の財力を当てにしてるりるかとの同居を提案するのが何だかな…
断られたら大学で一人暮らしを始めてからになるけど、じゃなくて、そういう趣味の善行は最初から独力を前提としてやりなよね。

ボロクソ言いましたが、エピローグはベタながらちょっとじんと来ました。
老衰ネタ弱いんだよなあ!!

美里

葉子
「随分なこと言ってくれるねぇ……。
 私はいつだって親切なのに」

まったくもってそう。

美里と話す時の葉子さんの話し方かわいくない…!?
あと、朱子除霊後の所ベルが尊すぎる。
ベルベットの好みを完璧に把握して世話を焼きながらからかう葉子さん好きです。

美里のキャラはそんなに好きじゃなかったけど、暴走したりで吹っ切れてからはわりと好きかもしれない。
エピローグのスチルは美しくていいですね。

佳奈が無自覚に失恋した時にさりげなくフォローする修司さんイケメン。

葉子

他ルートでそのキャラクターがすごく好きになり、いざ満を持して攻略にかかると肝心のストーリーがダメダメでキャラの魅力が半減した個別ルートだった…というのは恋愛ゲームあるあるだと思うのですが、残念ながら所長もその例に漏れなかった。

美里が他ルートでぴんぴんしているおかげで、漫画でありがちの、最強キャラがストーリーの都合で無能化するやつじゃんねコレという感想。

エロは女攻めばっかりで残念でした。
最後の二回戦目では攻められるのでよかったけど…
ただでさえサブキャラでエロやスチルが少なめなのに謎のロリ化で枠を潰されるという悲劇もあり…

美里の最期の言葉は、美里ルートをやった後だとハイハイ所長無能化無能化とやや白けるのだけど、所長の言葉だったと思うとちょっと感動させられる。

主人公とヒロインとの関係からお邪魔虫を排除するためだけの設定だと思われた修司のホラー耐性ゼロが、このルートではしっかり活きてくるのもよかった。

エピローグは主人公とは恋愛関係にはならず人外仲間といった感じ。
伊予相手の方が素をさらけ出して心を開いているよね…
肉体関係はあれきりと言われても納得できる雰囲気だよね…
所長が好きで期待していただけにもう一歩踏み込んだ関係になってほしかった。ガッカリ。
あとスチルの顔がひどい。こりゃないよー。
登場時のスチルも眉メイク変えたんですか?というふうに別人だが…

所長の中の人は通常、ガチギレ、ロリと声が3種類くらい出るのすごいなと思いました。
控えめな喘ぎが好みだったので他の出演作もチェックしたいところ。

ベルベット

主人公が休むと大人しくなってお昼会話が全然ない修司さん…
普段下ネタ言いまくりかつモテるのに踏み込まれると引くのとか彼の恋愛観が気になるので修司が主人公で何かやってみたい。

ベルベットはさすがメインヒロインの風格といったところ。
最初から最後までかわいいし、スチルもまんべんなく美しく非の打ちどころがない。

ただ、主人公は佳奈ルートより言動がマシとは言え、そんな命を賭けるほどの男か?と思えてしまい、主人公とベルベットが盛り上がるほどに私との心の距離が開いてしまう。
「眠り姫」「我が主」とか言い出したあたりは「誰やねんお前ら」となってしまった。
何だかグローランサーを思い出しますね。マイロード、そう呼ばせてくれないか?

葉子さんが「おかえりなさいませご主人様~」って言うのは断然アリ。
セーブしました。

「それじゃあ、今度こそ本当にさようなら」

所長…( ;ω;)
別れを予感させる言い方、中の人ほんとうまいよ。

可愛い服を選んで着せるのが好きとか、尊い所ベルがまた発揮される。
でも性生活のお世話はやだな…

「一緒に生きましょう」
良い笑顔で〆るきれいなおわりで満足。

TRUE

佳奈ルートで不満を持ったところがおおむね解消される良ルート。
ライターはもしかしてキャラクターのマイナス面をそうと認識したうえで描写していたのかも…と思わされましたが、だからと言ってマイナス面が払拭されるわけではないので佳奈ルートはやっぱり嫌い。

先輩かわいいからエロ期待していたのに、スチルは顔面もデ狂いもひどすぎでしょ…

「一緒に逝きましょう」
TRUEのこの台詞もよかった。

そのほか

<ツッコミどころ>
・幼馴染の男女が姉弟として二人暮らしすることが周囲に普通に容認されている。せめて親戚とかなら…
・別人の写真を佳奈だと思い込まれてオカズにされるのもアウトでは?
 もし写真が名前付きで出回ったら、被写体が誰であれ佳奈の名誉は傷つくだろうにいいのかな。
・異界に長居すると帰ったら現実は10年後100年後ということもありうるといろんなルートで言っているのに、佳奈エンドは…?
霊障のせいで医者不信薬不信なのに美里が倒れると薬を買いに走る。
・主人公は母親の過干渉がウザいから実家は嫌だと言っていたのに、美里・葉子ルートだと両親はドライでネグレクト気味で息子が病気でもほったらかし。
朱子の影響下にある先輩を佳奈に一人で探させるのは危険だと指摘される→ハッ迂闊だった→翌日も一人で探索させる。