ChronoBox -クロノボックス- 感想

上げ忘れその2

総評

評価:★★★★★★☆☆☆☆

仕掛けにこだわりすぎて、それ以外がおざなり。クイズの答え合わせをして「へえー」で終わった感じ。
最後まで主人公にもヒロインにも思い入れができず、パズルやクイズを解きたかったわけではないのでこの評価で。
同ライターさんの「駄作」という作品が気になっていて、グロリョナ成分が強すぎなため足踏みしていたけれど、今後きっと購入することはないでしょう…

テキスト

登場人物の名前にふりがな打ってくれ…
エロゲーあるあるへの皮肉にしても、ヘンテコな名前は物語への没入感を妨げるだけ。

進みすぎたエロは笑いと区別がつかない――アーサー・C・クラークの第三法則
という七英雄コラが脳裏をよぎりました。ワグナス!
同じ擬音語を何十回も連発する台詞を、声優さんは緩急つけたりいろんなバリエーションで発声していて本当にすごい。
実は台本にはいろいろ細かく指示が書かれているんだろうか。
あと、ライターはこれコピペしているのかな、ひとつひとつ手打ちなのかな…とか…

演出

立ち絵がしきりに動き回るので、最初は感心したけどちょっとうるさいかな。
後半から表現が変わるのは好き。

伏線はもっと自然に張ってほしい…あまりにもあからさますぎる。
はいここで登場人物の謎の言動!ドーン! 怪しい小道具!バーン! ほらほら気付いて!後で回収しますからね~
みたいな。もっとさりげなく散りばめてほしかった。

シナリオ
EDEN編

パターン化するので3周目くらいで飽きるし「この2セットをあと何回繰り返すの…?」と絶望しかけたが、猶猶はギャグ(だよね?)に特化したり筮は恋のアシストに回ったり三人娘は一斉在庫処分したり、同じ展開でも何とか違いが出るよう頑張っていたように思う。
おかげで中盤くらいまではなかなか引き込まれた。
クリア後に振り返ると、不穏な演出のほとんどがプレイヤーをビビらせるためのハッタリに過ぎなかった点が残念。
それと、屍が味方であることを示唆するのが早すぎ問題。緊迫感がない。
黒い箱にちん…は笑いました。シュール。

黒山羊編

ここまで散々この世界も人物も虚構であることを示してきたせいで、白々しすぎて戸惑う。
こういう展開をやりたいなら、EDENでもっと登場人物たちを掘り下げ人間関係を描写するべきではなかろうか。
黒山羊さんも夜々萌のあれで正体ほとんど判明しているし。
挿入歌が流れ始めた時にはぽかーん。言うほど大切な仲間でも親友でもなかったじゃん。

EdEn編

設定も話の流れもガバガバですごい白ける。
他の方のレビューでいろいろ突っ込まれているので詳細は割愛するとして、私には母親が謎過ぎた。
被験者たちの中に健常者を混ぜたらどうなるか実験…ぽかーん。
そんなことして何か意味あります…?
スラムに全裸の少女を置き去りにしたらどうなるか見てみたい、みたいな…?
「娘を殺したあなたたちが憎い!」と言い出した時には本当にびっくりした。
てっきり健常者(娘)が発狂したり殺されたりするのが見たくてやったのかと思っていた。
娘さんを殺したのはあなたですよ^^;

そのほか

御伽「猶はそれでもあなたのことが…」
どの口が言うか(;^ω^)
EDENの御伽は好きなんだけど、ブタ箱にぶち込んどいたほうがいい気がする。

猶猶が復讐対象なのに羽瀬はスルー対象なのが気になる。
エロゲなので…と言われればそれまでですが。

結局このゲームで描かれる狂気とは、残虐な行為をしながら「あっひゃひゃひゃひゃ! ×××ゥ! ×××ォ!(何か非道徳的な言葉)」というものなんだろうか。
好みの問題だけど、もっとこう、一見普通なのに静かにひたひた迫ってくる…みたいなのがよかったな。