はるまで、くるる。 感想

500円セールを待っていたんだけど、バレセールでクーポンもあったし買ってしまった。
結論は、待っていればよかったな、と…

総評

評価:★★★★★★★☆☆☆

シナリオの出来はよかったとは思うんだけど…どこかいまひとつ。
ハーレムとエキセントリックな女の子が好きなら楽しめるのかもしれない。

テキスト

全体的にシンプルで読みやすい。
たまに前後の文章がつながらないが…
主人公がテンション↑↑したり狂ったりすると、ちょっとくどくなるかな。
煮詰まるの誤用が気になるマンなのですごく気になった。
簡潔な表現で想像がしやすく、グロシーンは若干きつめに感じる。

最初から最後まで笑えない下ネタギャグ満載。
2回だけクスッとはしました。
主人公がエロシーンで喘ぎすぎでそっちのが笑える(引き笑い)

グラフィック

立ち絵が細かく動くのは楽しい。
でも全裸の立ち絵はデ狂いの少ない絵師がやらないとキツイなあ~と思いました。
1周目では出てこなかった(はず)の春海の怪訝顔は何だかクセになる。

話ではベニクラゲのはずが画ではミズクラゲになっているという前情報を持って挑んだのだが、だいぶ大事なところだったのでびっくりした。

キャラクター

ループ前の背景がなく、前提の設定と三ヶ月分しか人間的な厚みがない。
不快なキャラはいないけど、特別入れ込むようなキャラもおらず…

秋桜は女に嫌われるタイプの女だな、と若干思わないではないが(さばけているようでウェット、当事者でないのに泣き出してみんなに慰めてもらうなど)、許容範囲。

シナリオ
ハーレムルート

奇妙な春休みが始まって一ヶ月半、主人公がヒロイン全員お手付き済みで一旦揉めて落ちついた後、というスタート地点。
不評なようですが私は結構アリです。
謎の匂わせや情報開示が早く、ツカミはOKという感じ。最初で掴んでくれないとすぐ飽きたりヘイトが溜まったりするのでね。
エロシーンは飛ばし飛ばしでしたが…

私はハーレムが苦手なのですが(ヤリ男が善人と持ち上げられるのと、ハーレムに甘んじる女たちの心理に納得いかないから)、閉鎖的な環境で男一人ならしょうがないなというのと、流されやすく理想を投影されやすい主人公、そして性交渉をオープンでフリーにすることで嫉妬や独占欲を割り切ろうという静夏の考えは理解できたので、すんなり受け入れられました。

ただ、しょっぱなからヒロイン四人せいぞろい、しかも名前が春夏秋冬とくると、設定がスッと頭に入ってこない。
名前とカラーリングを合わせてくれるとよかったかも。春が緑で夏がピンクとか最初は混乱しきり。

春よ来いがホラーすぎて、ラストはすわ恐怖画像でも出てくるかと思った。

春海

ループの仕組みをチラ見せされたうえで振り出しに戻るので興味を失う。
もういいから真相に行ってよ…みたいな。
でも晴海の狂った言動と、狂っているのにあくまで自然体という中の人の演技は、すっごくよかったです。
…だけにオチが残念。今までのアレコレ全部ただの中二病じゃん…
「鹿でも狩ってろ」で済んだ話よね。

秋桜

春海ルートで介入する監視者らしき存在がいたせいで茶番っぽく感じる…と思っていたら茶番だった。
時計の理屈はみんなもごはん食べたら内臓破裂しないとおかしくない…?
黒い髪飾りをつける=死者を悼む、に(・_・? それなら真冬は次ループからは別の髪飾りをつけるべきでしょ。
特に準備なしにお尻でするので、汚くないのかなあと心配になった。お腹も下しそう。

冬音

今まで片鱗もなかった突然の相撲推しに戸惑う。
好きに生きた結果が相撲ギャグなの…?
待望の真相解説回なのだがずっと喋っているだけでつまらなかった。
お前が100点つけてるアペイリアも大概やんけと言われるとそれはそうなので、結局はキャラクターや話が合わなかったということかな。
冬音自体は、作品内ではわりと好きな方なんですが。
会話の中でちょこちょこ単語を間違っていたのは何だったのだろう…

静夏

今まで元気のげの字もなかったのに突然の元気推しに戸惑う。
ループものなのだから、繰り返しの中でいくらでも下地を作っておけそうなのに。おいしいごはんに感激しやすい設定はそのへんきちんと機能していたと思う。
バールを振り回していたのも特に意味はなかった…よね?
ここに至るまでに静夏だけ特別って感じもそんなになかったので、冬音以上に何か主人公とつながる要素がほしかったな。

みんな途中でキャラ変して、すぐ戻ったのも謎ですね。
途方もない年月に狂った感じを演出してみようというライターの悪ノリに感じられる…

まとめ

ぐちぐち言いましたが、シナリオの全体的な流れやSF設定はきれいにまとまっていました。
でも振り返ると最初のハーレムがいちばん面白かったような…
何かあるぞ~面白いのが来るぞ~という雰囲気作りがとてもよくできていたと思う。
その後、期待していたほどの面白さは来なかったが…

最後の主人公の笑顔にはちょこっとじんときました。
でもED後に「俺がガンダムだ」みたいなことを言い出してスンッてなった。シンプルに「ありがとう」だけでよかった。